可変抵抗器(ポテンショメータ)が機械的な位置の変化をアナログ電気信号に変換するのに対し、エンコーダは、これをデジタル信号に変換します。 エンコーダも可変抵抗器と同じくポジションセンサと操作デバイス両方の用途で様々な電気機器に使用されていますが、ここでは操作デバイスとしてのエンコーダについてご紹介します。
ポジションセンサとしてのエンコーダ(磁気式)についてはこちら
エンコーダの分類
エンコーダには色々な方式があり、アルプスアルパインは、接触式、磁気式のロータリエンコーダを扱っています。

エンコーダの読み取り方法
エンコーダの読み取り方を、エンコーダの代表的な区分けであるインクリメンタル出力とアブソリュート出力の違いとあわせてご説明します。
インクリメンタル出力
アブソリュート出力
インクリメンタル出力は連続で回して操作するのに対して、アブソリュート出力はロータリスイッチのように操作ダイヤルのポジション切替えとして使われます。
アブソリュート出力のシリーズ

エンコーダの電気的基本特性
ここでは接触式ロータリエンコーダの電気的な基本特性をご説明します。
パルス:
ONからONの1サイクルを1パルスといいます。
分解能:
1回転で発生するパルス数を分解能といいます。
位相差:
A信号とB信号のパルス信号の立上りまたは立下りの時間のズレを位相差といいます。

チャタリング:
ON/OFFの切替位置でON/OFF動作を小刻みに繰り返すことをチャタリングといい、導体と絶縁体の段差やバリが原因で起こります。
バウンス:
(しゅう動ノイズ)
出力ONの範囲内で起こる瞬間的な出力OFF状態をいいます。
しゅう動ノイズ:
出力OFFの範囲内で起こる細かい出力ON状態をいいます。

スイッチング特性:
上記チャタリング、バウンス、しゅう動ノイズの影響を抑制するためにスレッシュホールド(閾値)電圧を規定しています。

アルプスアルパインのエンコーダの種類
上記インクリメンタル、アブソリュートの出力信号以外にも、アルプスアルパインでは、ロータリボリューム同様、軸の種類と製品サイズでバラエティを展開しています。

アルプスアルパインのエンコーダの構造
代表的な構造は下記のようになります。板バネなどの各部品を最適化することによって回転トルクやクリックの好フィーリングを実現しています。

アルプスアルパインの磁気式エンコーダ
接触式の欠点は寿命が他の方式と比べて短いことです。
そのためアルプスアルパインは磁気式のエンコーダEM11Bシリーズを準備し、動作寿命100万回を保証しながら好フィーリングを実現しています。
