以前、アルプスアルパインのタクトスイッチ®のフィーリングは、大きくシャープフィーリングとソフトフィーリングに分かれ、ショートストロークタイプはシャープフィーリング、ロングストロークタイプはソフトフィーリングになることをご説明しました。
今回はミドルストロークタイプのタクトスイッチ®についてご紹介します。
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ミドルストロークタイプのタクトスイッチ®とは
アルプスアルパインのタクトスイッチ®では、おおまかに0.1~0.3mmをショートストローク、1mm以上をロングストロークというのに対し、その間0.4~0.9mmのものをミドルストロークと呼んでいます。

タクトスイッチ®の構造とオーバーストロークについて
ミドルストロークタイプの構造をご説明するに当たって、まずショートストロークタイプとロングストロークタイプの構造をご紹介します。
ショートストロークタイプの構造
ショートストロークタイプの移動量は基本的にメタルドーム(可動接点)のストロークのみになります。
したがって、接点がONした後のオーバーストロークはありません。また、メタルドームの径が小さいほどストロークも短くなる傾向があります。
ロングストロークタイプの構造
ロングストロークタイプの移動量はラバースプリングのストロークにラバー圧縮分が加わります。
このラバー圧縮が接点がONした後のオーバーストロークを生み出します。
したがって、ラバーが柔らかい(硬度が低い)ほどオーバーストロークは長くなります。
ミドルストロークタイプの構造
上記ショートストロークとロングストロークをミックスしたものがミドルストロークになります。
メタルドームを押す押し子(ステム)をラバーにすることによって、接点がONした後もラバーはたわみ、これがオーバーストロークになります。
ラバーの硬度を調整することにより、メタルドームによるシャープフィーリングを維持したままオーバーストロークを追加し、押し心地を変えることができます。
ミドルストロークタイプのバラエティ
現在、アルプスアルパインのタクトスイッチ®には以下のミドルストロークタイプのバラエティがあります。
確実な操作感触を実現した小型ミド
ルストロークタイプ。
静音と明確な操作感触を実現したミ
ドルストロークタイプ。
重作動の小型・静音ミドルストロー
クタイプ。
品位のある操作感触を実現した
0.9mmストロークタイプ。
ラバーステム採用で、移動量
0.3~0.55mmとオーバーストロー
クを実現。
今回はアルプスアルパインのミドルストロークタイプのタクトスイッチ®の構造をご紹介しましたが、次回からはこの構造からどのようなフィーリングや操作音が生まれるかをご紹介します。