湿度センサーには色々なものがありますが、アルプスアルパインの湿度センサーは大気中の水蒸気量を検知して電気信号に変換しています。 ここでは、その検出原理や特長などについてご紹介します。
湿度とは
湿度とは大気中に含まれる水蒸気の量や割合のことで一般には「相対湿度」を指します。これに対して「絶対湿度」があります。
相対湿度(%RH) :ある温度の大気に含まれる水蒸気の量÷その温度の飽和水蒸気量
絶対湿度(kg/kg) :水蒸気重量÷乾き空気重量
アルプスアルパインの湿度センサーは相対湿度を検出します。
「相対湿度」と「絶対湿度」の違いとしては、例えば空気が温度によって収縮や膨張した場合、 相対湿度は変化しますが絶対湿度は水蒸気重量が変わらないため変化しません。

湿度センサーの検出方式
湿度センサーには世の中に色々な方式があります。 アルプスアルパインの湿度センサーは電気式の静電容量変化型を採用しています。

アルプスアルパインの湿度センサーの原理
アルプスアルパインの採用する静電容量変化型湿度センサーは、誘電体を挟む2つの電極(コンデンサ)間に交流電圧を印加し、 誘電体の水分吸収による誘電率変化がもたらす電極間の静電容量変化から湿度を測定しています。 これに対して抵抗変化型湿度センサーは、誘電体の水分吸収に伴う導電性の変化を利用しています。

このセンサーから得られた静電容量値Cを、内蔵したICにて電圧Vへ変換しています。
アルプスアルパインの湿度センサーの特長
業界最小 (2019年12月現在当社調べ)
アルプスアルパインでは、自社の半導体プロセスを使ってSiウエハに上記薄膜コンデンサを形成しており、 自社で開発、製造することで業界最小レベルを実現できています。
HSHCAL001Bの例

高リニアリティ
他の方式の湿度センサーと比較すると、アルプスアルパインの湿度センサーは高いリニアリティで出力できます。

アルプスアルパインの湿度センサーの用途とバラエティ
湿度センサーの機能としては、湿度の値を計測することはもちろん、湿気の侵入を検知することにも使われています。 前者はエアコン等の空調機器や冷蔵庫など、後者にはプリンターの紙送りや防水機器の水分侵入検知に使われています。
アルプスアルパインの湿度センサーのバラエティ
タイプ | 製品番号 | 出力 | 温度測定 | 防湿コート | その他 |
---|---|---|---|---|---|
![]() SMD |
HSHCAA006A | アナログ | - | - | - |
HSHCAL001B | デジタル(I2C) | ○ | - | - | |
![]() コネクタ接続 (基板実装済のモジュールタイプ) |
HSHCAA114A | アナログ | ○ | ○ | 強ロックコネクタ |
HSHCAL101B HSHCAD140A |
デジタル(I2C) | ○ | ○ | - |